23時、ドアの向こうで

アプリでのやり取りは軽かったのに、待ち合わせの改札を抜けた瞬間から、空気が少し変わった。言葉は少ないままホテルへ向かい、扉が閉まる音だけがやけに大きく響く。緊張しているはずなのに、目が合うたびに少し笑ってしまう。知らない誰かだったはずの距離が、ベッドの端に腰かけたあたりから、静かに縮まっていった夜の記録。

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